アカデミー賞でノミネートされた時の映像を見てから、ずうっと見たいと思っていた映画が、ようやく日本でも上映されました。で、ようやく見れました。
スペイン内戦下での話で、フランコ軍が悪役として出てくるのでバルサファンとしては非常に感情移入しやすい作品です。
しかし、ハリウッディな描写は無く、万人向けでは無いですが、私は大好きです。血とかたくさん出るし、痛い描写も多いので見る人は注意して下さい。主演のオフェリアちゃんの美しさも奇跡のキャストだと思います。
彼女の義理の父親のビダル大尉が、スペイン語では「カピタン」と呼ばれているのでいちいちプジョーの顔がちらつきました(笑)。
で、スペインでの出来事なので登場人物やら役者さんの名前がどこかで聞き覚えのある名前ばかりです。
オフェリアちゃん役の子はバケロちゃんだし、ビダル大尉役の俳優はセルジ・ロペスという名前だし。
まあ、リーガ好きなのでスペイン人の男性の名前は良く知っているが、女性の名前はほとんど知らないという事を分からせてくれた映画でもあります(笑)。
以下、ネタバレありの感想。
この作品のファンタジーと現実世界が交錯するという部分だけが引っかかってました。
観てませんが、「アーサーとミニモイの〜」みたいだったら嫌だな、と。
しかし、それは杞憂でした。これは、現実世界に生きる女の子がファンタジーと交錯せざるを得なくなる話、なのです。
上っ面だけの話では「オフェリアは現実では辛くて可哀相な女の子ですが、最後の試練を乗り越えて地底の王国のプリンセスになりました。めでたしめでたし。」という話ではあります。
しかし、作品の色やら作りがそんな簡単な話では無い事を伺わせます。
私には、オフェリアが現実世界と向き合えない辛さからこのファンタジー世界を彼女自身の中で作りだしたように感じました。彼女が絵本好きで、物語を読んで想像に耽るという出だしですし。
しかし、現実に起こる事件が彼女をどんどん追いつめていきます。
ファンタジー世界からも追い込まれる始末ですが。でも、ファンタジー世界からは(都合良く)救いの手が出てきます。
なので、私は途中から「この作品はオフェリアの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』じゃないのか?」と感じました。
ここに出てくるパン(スペイン語原題では“fauno”、ナルニアのタムナスさんと同族ですね。見た目がかなり恐いですけど。)やら妖精やらが全て(マンドラゴラだけは説明が付かないけど)彼女の空想で、自分が「実はプリンセスなのだ」と思い込む事でどうにか自分を保っているとしたらと考えてしまい、辛くなりました。
また、オフェリアの母親を見初めたビダル大尉が彼女の夫を殺し、偶然を装い母親と再会して夫に収まる計画だったのじゃないか?と深読みできる描写もあります。オフェリアがそこまで知っているとは思いませんが、彼女の状況がより辛くなるようなエピソードです。
すると、反対の意味を持つエンディングになってしまいます。
「空想好きの少女は、義理の父親に殺されてしまいました。義理の父親は彼の跡継ぎである彼女の弟にしか興味が無かったのです。」という…。
死に方も、綺麗な感じでは済まさなかったし辛さが残る映画です。
でも、スッキリはしないんですけど、後に残る映画です。面白かったです。
2007年10月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/62189079
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
http://blog.seesaa.jp/tb/62189079
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック




